こんばんは!しろろです。今回は下記を紹介します。先輩社員に紹介していただいた本です。

  • 書籍名:社会に出るあなたに伝えたい なぜ、読解力が必要なのか? 
  • 著者:池上彰
  • 出版社:講談社
  • 定価:946円(本体860円)

2種類の読解力で、物事の本質をとらえる

読解力には、「論理的読解力」と「情緒的読解力」があります。

「論理的読解力」は、相手の主張を理解する力です。

国語の授業で、評論を読んだと思います。評論とは、『大辞泉』によると「物事の価値・善悪・優劣などを批評し論じること。また、その文章」です。各立場の人たちが、論理的に世の中を分析し、文章をまとめます。評論を読むことで、身の回りの問題や出来事、自分の本心を関連付けながら読むことで、多角的なものの見方ができるようになります。

例えば、自分と考え方が異なる同僚と話す際に「論理的読解力」が役立ちます。自分はA案、相手はB案を掲げたとします。自分の主張はいったん横に置き、相手の主張を聞き、理解します。最初からB案を批判すると、相手の意見を聞き出せなくなります。反論は最後までとっておき、相手の話に耳を傾けましょう。「論理的読解力」により、違う立場の人の主張に向き合うことができます。

「情緒的読解力」は、人間の感覚で考えられる力です。

国語の授業で小説を読む際に、登場人物の感情や言動の理由を考えたと思います。このような訓練により、自分と全く異なる境遇の方、考えが異なる方、自分が未経験の体験をした人に対しても共感できるようになります。

例えば、職場でミスをした同僚と話す際に「情緒的読解力」が役立ちます。仕事が多すぎて、同僚はキャパオーバーをしており、ミスしたことを深く反省していました。同僚の気持ちを読み取れれば、責めるのではなく、「いつもありがとう。この仕事は私もできるから分担しよう。」と伝える方がよいと分かるはずです。

この2つの読解力を身に付けることで、物事の本質を読み取れるようになります。

読解力を身に付ける方法

大きく分けて、下記4つの方法があります。

  • 書く
  • 聞く
  • 伝える
  • 読む

書く

まずは文章を書いて鍛えます。いい文章を書こうと努力してから、上手な文章を読むと、読みやすい工夫に気づけるようになります。下記のことを実践しましょう。

  • 書いた文章を人に読んでもらう
    • 自分以外の人に文章を読んでもらい、分からない点を指摘してもらうのが、上手な文章を書く近道です。
  • 絵文字、スタンプ、記号を使わずに生活する
    • 感情表現を上記に頼ると、文章で真意を表す機会を失います。文章だけで自分の真意を伝えられるよう書く訓練は、ビジネスメールにを書く時にも役立ちます。

聞く

「相手が何を言いたいのか」を常に考えながら聞きます。相手がプロでない限り、会話に説明不足な部分があるはずです。言葉足らずな報告を受けた時に、「たぶんこういう意味だろう。」と自己完結せず、「それってどういうことなの?」などと聞き返す習慣をつけましょう。ポイントを突いた質問ができるようになれば、読解力が身に付きます。

相手の話を聞くときは、「良い聞き手」になります。話す内容が分からなければ首を傾げ、理解できれば頷きます。全身を使って相手の話を聞くと、相手はしゃべりやすいです。

伝える

意識して分かりやすく「人に説明する」経験を積みましょう。

  • 相手が知りたいことをまず伝える
    • 例えば、上司から〇〇が終わったかを確認されたとします。「▽▽が~~で、◇◇を~~で…。」と話すのではなく、「〇〇が終わりました。その時に▽▽が~~で、…。」と話します。結論が最初に来ると、聞き手は安心して話の続きを聞けます。相手が求めることを理解し、冒頭で話すようにしましょう。
  • 「みなさん、とにかく大変なんです。」と、頭の中で言ってから、コメントする
    • 上記を言うと、その後に一番大事なことが言葉になって出てきます。「(みなさん、とにかく大変なんです。)新宿で火災が発生しました。現場は新宿駅から徒歩10分ほど離れたビルです。…。」冒頭を削ることで、ポイントを突いた説明になります。
  • 50文字以内に要約してみる
    • 新聞の一面に載っているコラムを50-100文字で要約すると、その話が伝えたい事を考えるので、読解力を鍛えられます。要約が上手になれば、相手に何かを説明する時に、コンパクトに話せるようになります。
  • きちんと文章にして会話をする
    • 例えば、子どもから「お母さん、紙。」と言われた時に、「紙がどうしたの?コピー用紙?トイレットペーパー?」と聞くようにします。面倒くさいですが、正しい文章で会話をしないと、自分の表現能と読解力が落ちます。主語、述語、目的語などを省略することは多いですが、誤解を生む可能性があります。きちんと説明するよう心掛けましょう。

読む

「自分は何が分からないのか」を考えながら、新聞や本を読みましょう。

単語が分からないのか、予備知識が不足していて分からないのか、何が分からないのかを立ち止まって考えます。この習慣により、読解力が身に付きます。

読書をすると、楽しみながら読解力を上げられます。世の中には自分と全く違う考えの人いることを理解し、広く受け入れる寛容な心が育ち、人間への洞察力が身に付きます。情緒的読解力が鍛えられ、立場の違う人に共感できるようになります。

さらに、自分の行動が他者や世界にどのような影響を及ぼすのかを考えられるようになります。例えば、読書を通して、いじめられると相手はどんな気持ちになるかを想像するようになります。相手の心を読み解く力が身に付くのです。

感想

論理的読解力」と「情緒的読解力」はどちらも重要だと勉強になりました。学生の頃は、国語の授業が何のために役立つのかと思っていました。大人になったからこそ、読解力を身に付けるために重要だったと気づかされました。久しぶりに教科書を読んでみようと思います。

この本を読んでから、毎日、天声人語を要約しています。要約力を鍛えるだけでなく、上手い文章と出会えるので大変勉強になります。今後も続け、読解力を身に付けることで、仕事もプライベートも充実させます。

今回もありがとうございました。