こんにちは、しろろです。

管理職のトッププライオリティを考えたことはありますか?多くの方が、「組織の運営」や「部下の育成」と答えると思います。

昨日ご紹介した本『メタ思考~「頭のいい人」の思考法を身につける』では、部下の話を聞くことだと書かれています。部下と話すために、上司は1 on 1(ワン オン ワン)ミーティングを行います。1 on 1ミーティングとは、上司と部下が1:1で行う面談です。

今回は、上記の本から新時代のマネージャーに求められる行動をご紹介します。メタ思考の概要を知りたい方は、下記の投稿をご覧ください。

マネージャーは、経営層とプレイヤー層の「通訳」である

マネージャー層は、経営層とプレイヤー層を繋ぐ「架け橋」です。経営層とプレイヤー層では視点が異なるので、両者をつなぐ必要があります。各層の役割・視点は下記になります。

役割視点
経営層社会への貢献方法をデザインする社会のニーズとビジネスを見る
マネージャー層上記達成のために組織を運用する事業内容や組織構造を見る
プレイヤー層各タスクを実行する製造現場や顧客の反応を見る

経営層とプレイヤー層を上手く繋げるか否かで、プロジェクトの結果が変わります。

例えば、「石油を全く使用しない車(電気自動車など)を開発する」プロジェクトがあったとします。情報が正確に伝わらないと、プレイヤー層は”石油をなるべく使用しなければ良い”と思い、「石油が少量でも走れる車」を開発してしまう可能性があります。プロジェクトの目的とズレているので、プレイヤーは「石油が少量でも走れる車」を作っても評価されません。頑張っても評価されないので、彼らは不満が溜まり、退職する場合もあるでしょう。

プレイヤー層が目的に沿ってタスクをこなせるよう、マネージャーが導く必要があります。グループ会議でメンバー全員に目的を話すだけでは、人によって理解度に差が出ます。1 on 1で各プレイヤーの認識を確認し、目的に合った行動をとるよう促しましょう。

マネージャーは、メンバーの「失敗」を「学び」に変換する

チームメンバーが失敗した時は、一緒に原因究明をします。失敗には、必ず学びがあります。その気づきから、同じ失敗をプレイヤーが繰り返さないようにします。

管理職は「自分で考えろ。」と言ってはいけないです。管理職は、「メンバーの分からないところ」を分かる必要があるからです。相手に合わせた視座をもつようにしましょう。

「失敗」を「学び」に変えるため、下記のように丁寧なコミュニケーションを取ります。

①マネージャー:「消耗品の発注でミスした原因は、あなたの中と外のどちらにありそうですか?」

①プレイヤー:「自分の中にあると思います。原因は、最終確認をしないで発注をしたためです。」

②マネージャー:「最終確認をできなかった理由を教えていただけますか?」

②プレイヤー:「他の業務をやらないとで、慌てていたためです。」

③マネージャー:「慌てていると、ミスをしやすいですよね…。同じミスを繰り返さないための対策はありますか?」

③プレイヤー:「ゆとりがある時に、消耗品の発注をします。まだストックがあるので、2週間以内に発注すれば問題なかったので。」

④マネージャー:「業務の優先順位を考えることは大事ですね。ちなみに、消耗品をすぐに発注しないといけない時はどうしましょうか?」

④プレイヤー:「そうですね…。その場合はすぐに発注しないといけないので、ミスが起こりにくい仕組みが必要です。」

⑤マネージャー:「いいですね。では、どのような仕組みを作ればいいか考えてみましょう。」

上記の会話で、マネージャーは相手を否定しません。否定すると、話し手は委縮して思うように発言できなくなるからです。管理職は「相手を全肯定しながら、正しい方向へ導ける」よう心掛けましょう。

マネージャーは、相手に興味をもって接する

相手に興味をもてるかは、スキルではなく意志の問題です。プレイヤーから報告があった時に、親身に話を聞きましょう。

例えば、部下から「顧客に〇〇は人気がなさそうです。」と報告を受けた時です。部下の言葉を鵜呑みにせず、上司は詳しい状況を確認します。

  • 顧客から「〇〇は人気がない。」と言われたの?
  • 顧客にどのような説明をしたの?
  • ▽▽の特性を伝えてみた?

相手の話に関心があるから、質問が思い浮かびます。会話を続けると、相手との認識を揃えられ、円滑なコミュニケーションができます。質問攻めしすぎると、相手がたじろいでしまうので塩梅には注意が必要です。

マネージャーは個人の才能を活かせる「環境」と「道筋」を用意し、組織として大きな価値を生み出します。

人によっては「罰ゲーム」と言うくらい、管理職は大変な仕事です。しかし、仕事を通じて得られるスキルは一生ものだと感じています。経営陣の考えに間近で触れたり、部下を育成したりすることで、広い視野を得られるからです。

管理職の方は、紹介した”3つの行動”を意識して働いていただければと思います。プレイヤーの方々は、マネージャーにとって重要な行動について、少しでもイメージが膨らめば幸いです。

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。