こんばんは、しろろです。

ルールを守らない人に困っていませんか?例えば、「部屋の明かりをつけたら、退出時に消してください。」と決まっていてもやらない人がいますよね。

決まりを破る/破らないの違いは、その人にとって利益になる/ならないの違いが関係しています。

今回は、システムに従ってもらえない原因を確認後、私の体験談をご紹介します。

恩恵を受ける人が主導のシステムを作る

先ほどと同じく、「部屋の明かりをつけたら、退出時に消してください。」というルールを元に説明します。

「明かりをつけること」は、部屋が明るくなり作業をしやすくなるので、部屋の使用者にメリットがあります。

「明かりを消すこと」は、節電になるので、その施設の管理者にメリットがあります。しかし、部屋の使用者は、電気代を支払わない場合、使い終わった部屋の明かりがついていても、消えていても関係ないです。「明かりを消すこと」に利益を感じないので、消さない人が出てきます。ルール違反の原因は、実施者に利益がないためです。

ルール破りを無くすために、『受益者負担』を考慮した仕組みを作る必要があります。『受益者負担』は、利益を受ける人に負担を求めることです。

明かりを消す場合は、部屋の使用者ではなく、施設の管理者が対応すれば良いのです。例えば、人感センサー付きの照明を部屋に設置すればよいです。人感センサーなしの照明より高価ですが、部屋の使用者による明かりの消し忘れを防げます。

上記のように、利益を得る人が主体のルール作りが大切です。

「変化を拒む」気持ちより、「利益を求める」気持ちを大きくする

仕組み作りで、上手くいかなかった体験談を共有します。

私の所属チームは中間管理職が不在で、2ランク上の上司が管理をしていました。ただ、上司は仕事が忙しいため面倒がみれず、チームの仕事分担等はメンバーに任されていました。

業務は人によって偏りが多く、メンバー同士は上手く連携がとれていませんでした。業務分散と連携強化のため、チームメンバーに「Excelのカレンダーを作成し、業務内容を全員で共有しよう。」と、私は相談しました。

上司や一部のメンバーは賛同してくれたものの、過半数のメンバーは賛同してもらえませんでした。

「Excelに入力するのが手間。」「メンバーで話しあっておけば、何かに残さなくても平気でしょ。」という意見が出たためです。

このカレンダーは、一部の担当者だけで使用することに決まりました。メンバーを納得させられなかった原因は、私の力不足にあります。しかし、最大の原因は、現状維持バイアスだと考えています。

現状維持バイアスとは、「未知のものや変化を拒み、現状維持を求める心理」です。提唱者は、リチャード・ゼックハウザーとウィリアム・サミュエルソンです。詳しい説明は、別の記事で今後紹介します。

反対したメンバーは変化したくないため、デメリットを指摘し、新しい仕組みを受け入れなかったと考えられます。チーム運営で効果がありそうな施策でも、変化を拒む相手だと賛同が得られないことを知り、大変勉強になりました。

ちなみに、上司は「大半のチームメンバーに受け入れられなかったけど、ずっとこのカレンダーを使っていれば、価値に気づく仲間が増えると思うよ。」と、言ってくれました。現在はこのカレンダーをチームメンバーの半数が使用しています。上司が言うように少しずつ理解者が増えています。最終的には、チームメンバーで活用していければと思います。

今回の記事を読み、「そもそも仕組みを作る必要があるの?」と思われる方は下記投稿をご確認いただけると嬉しいです。”仕組みが無い状態”が危険だと分かると思います。

今回もお読みいただき、ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。