この記事で解決できるお悩み
  • MECEって何?
  • MECEのメリットって?
  • MECEを使えるようになる方法は?

しろろ

こんにちは、しろろです。

ロジカルシンキングの基本テクニックとして、MECEという考え方をご存知でしょうか?

MECE(ミーシー)とは、Mutually Exclusive(相互に重複せず)Collectively Exhaustive(全体を網羅)の頭文字をとったもので、「モレなく、ダブりなく」情報や要素を整理する手法です。

この手法をマスターすることで、問題解決や議論、プレゼンテーションにおいて、明確な主張と説得力を備えた論理展開が実現できます。

私自身、ロジカルシンキングに苦手意識がありましたが、MECEを意識することで、物事を論理的に整理できるようになりました。

今回はMECEを活用するメリットを紹介した上で、その手法と習得方法をご紹介します。

MECEって?

MECE(ミーシー)とは、モレなくダブりなくものごとを整理する考え方です。Mutually Exclusive, Collectively Exhaustiveの頭文字をとっています。

  • Mutually 互いに
  • Exclusive 排他的な(重複しない)
  • Collectively 全体的に
  • Exhaustive 網羅的な(漏れがない)

MECEは企業研修などでも取り上げられ、さまざまな課題を論理的に整理するためのフレームワークとして広く活用されています。

MECEのメリット

MECEを活用することで、以下のような2つの大きなメリットがあります。

①自身の考えを整理しやすくなる

複雑な問題やトラブル時に、原因や要素を漏れなく整理することで、抜けや重複を防ぎ、論点を明確に把握できます。

相手に伝わりやすい論理的な説明が可能になる

整理された情報は説得力があり、議論をスムーズに進め、相手に自分の意見や提案が理解されやすくなります。

MECEの手法(3種類)

MECEの考え方を実践するためには、以下の3つの手法を理解しておくと良いでしょう。

①プロセス分解

プロセス分解は、対象となる全体の流れを各プロセスに分割する方法です。

例えば、カレーの作り方をプロセス分解すると以下のようになります。

  1. 具材を切る(野菜や肉を食べやすいサイズに)
  2. 具材を炒める(油をひいた鍋で香りが立つまで)
  3. 具材を煮込む(水やスープを加えてじっくり火を通す)
  4. ルーを加える(煮込んだ後にルーを入れて味を調える)
  5. 仕上げる(とろみがつくまで煮込み、最後に火を止める)

プロセス分解は、作業の流れに沿って順序立てて整理できるため、非常に使いやすい手法です。

②層別分解

層別分解は、対象を複数の項目(層)に分ける手法です。

例えば、年代ごとに要素を分解します。

  • 20歳未満
  • 20歳以上30歳未満
  • 30歳以上40歳未満
  • 40歳以上50歳未満
  • 50歳以上

各層が全体に対して足し算のように整理されるため、全体像が把握しやすくなります。

③変数分解

変数分解は、対象を構成する変数ごとに分ける方法です。

例えば、売上の場合は下記のように表せます

売上 = 客数 × 客単価 × 購買数

各項目が掛け算の関係にあり、数値としての比較ができるので、より説得力のある分析が可能となります。

ハイパフォーマーはこの方法を用い、より説得力のある分析を行っています。

MECEを使えるようになる方法

MECEの考え方は実践を通じて自然に身につきます。ここでは、初心者がMECEを習得するためのステップを紹介します。

1. 物事を2面で考える

最初から複数の要素で分解するは難しいので、まずは2個に分けて考える癖をつけます。

例えば、電気ポットからお湯が出ない場合を考えます。

「給湯ポットの中身が空なので、お湯が出ない」と決めつけるのではなく、ポット自体に問題があるかもしれないと考えます。

内側(水)外側(ポット本体)の両面で物事を見るようにします。

対象を2面で捉えるために役立つのが反対の意味をもつ漢字を使った熟語です。

例で使った内外以外に、長短・白黒・天地・今昔など多くの熟語があります。このような熟語の切り口を使えば、簡単に物事を2つに分けることができます。

SUPER EIGHTの村上信五さんも物事を2つに分ける思考法『半分論』を実践されているそうです。

興味がある方は村上さんの著書『半分論』をお読みください。

2. 要素をさらに分解する

2つに分けた要素をさらに分解していきます。

ポットからお湯が出ない原因を内側外側の要素に分割すると、以下のように分けられます。

☆【内側の要因(ポット内部・水の状態に関する問題)】

  • 水の状態
    • 水が空である: 水が不足している
    • 水の汚れやスケール: 固形物やミネラル成分が注ぎ口や内部パイプに詰まっている
  • 内部流路・配管の状態
    • 内部配管の詰まりまたは破損: 水の通り道に異物が詰まっている、または配管自体に亀裂や変形が生じている

☆【外側の要因(ポット外部・本体・操作部品に関する問題)】

  • 操作系統の故障
    • 給湯ボタンの故障: 押下しても機構が反応しない、電子的に不具合がある
  • 物理的外観や構造の問題
    • 注ぎ口の変形: 外部の衝撃や経年劣化で注ぎ口が変形し、正常に水が出ない
    • 本体のヒンジや接続部の不具合: 外部で電源供給や内部回路に影響を与える部分の問題

問題の原因となる選択肢が増えるので、視野が広がります。

3. 最初から複数の要素で分解する

慣れてきたら3-4個に分解して、全体の整理力が向上させましょう!

“4C”などのフレームワークを活用すると分解しやすいです。フレームワークの詳しい説明は下記のサイトもご覧ください。

場合によっては、三字熟語(例:大中小、朝昼晩)や四字熟語(例:東西南北、風林火山)も役立つかもしれません。

まとめ

MECEは、「モレなく、ダブりなく」物事を整理するための強力なロジカルシンキングツールです。

  • 相手に説得力のある説明ができるため、議論やプレゼンテーションがスムーズに進む。
  • 自分の考えが明確になり、問題の原因を整理しやすくなる。

MECEの主要な3つの分解手法があります。

  1. プロセス分解 対象の全体の流れを段階ごとに分ける方法
  2. 層別分解 対象を複数のカテゴリーに分類する方法
  3. 変数分解 対象を構成する変数ごとに分け、数値的な比較を可能にする方法

特に層別分解を実践する際は、下記のステップで物事を分けていくことで、考えを深めることができます。

  1. 物事を2面で考える
  2. 要素をさらに分解する
  3. 最初から複数の要素で分解する

今日から、日々の思考にMECEを取り入れて、より論理的かつ効果的に問題を整理する方法を身につけましょう!

最後に

本記事では、MECEのメリットを紹介後にその手法と実践方法をお伝えしました。

今日から物事を2面で考えるようにしていただき、モレなくダブりなく分類する方法に慣れていただければと思います。

ロジカルシンキングが苦手な方でも、相手に自分の意見を伝える技術を下記投稿で紹介しています。ご興味あればご確認ください。

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