この記事で解決するお悩み
  • 他人のミスを背負うと自分や会社にどんな影響があるの?
  • 失敗の責任を押し付けられたときの対応は?
  • 責任の押し付け合いを防ぐために何をすればいいの?
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しろろ

こんにちは、しろろです。

職場で、誰かのミスを、いつの間にかあなたが背負い込んでいた…そんな経験はありませんか?

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悩んでいる人

同僚がしたミスなのに、なぜか私が上司に叱られた…。

責任を押し付けられてから、仕事へのモチベーションが全く上がらない…。

真面目な人ほど、こうした不公平な状況に陥りがちです。

特に、上司への報告時にミスの当事者の名前を出すのをためらい、結果としてあなたが責任を負わされてしまうケースも少なくありません。

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しろろ

その気持ち、痛いほどよく分かります。

当事者が嫌な思いをして、今後の人間関係がギクシャクするのは避けたいですよね。

しかし、他者のミスをあなたが被ることは、あなた個人の心身に大きな負担をかけるだけでなく、会社全体にとっても見過ごせない損失となる可能性があります。

本記事では、他人のミスを背負うことが会社に与える具体的な悪影響を解説し、あなたが不必要な責任を押し付けられないための具体的な対策と考え方を詳しくご紹介します。

この記事を書いた人

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他人のミスを被ると、会社の損失になる理由

他者の責任を背負い込むことで、会社の損失になる理由を3つ説明します。

理由1:あなたが働けなくなることで労働力を失うリスク

「ミスの責任は全てあなたにある」と不当に言われたら、どれほど辛いでしょうか。

このような精神的負担が続けば、最悪の場合、心身のバランスを崩し、一時的、あるいは長期的に業務から離れざるを得なくなる可能性も考えられます。

あなたは、会社にとってかけがえのない「労働力」です。本来、あなたの能力や時間は、会社の成長や成果に直結する業務に充てられるべきもの。

しかし、他者のミスの尻拭いや、不当な責任による精神的ダメージで本来のパフォーマンスが発揮できなくなれば、これは会社全体の生産性低下に直結します。

つまり、個人の問題に留まらず、会社が「貴重な人的資源」を失う大きなデメリットなのです。

自分の役割と責任範囲を明確にし、そこに注力することが、あなた自身を守り、ひいては会社全体の利益に繋がります。

理由2:同僚との関係悪化がもたらす業務への影響

他者のミスをあなたが被ることで、当事者に対して「なぜ私が…」という不満や不信感が募るのは自然なことです。

同時に、ミスをした側もあなたに「申し訳ない」「顔を合わせにくい」といった負い目を感じるようになるでしょう。

このような心のわだかまりは、目に見えない形で徐々にチーム内のコミュニケーションを阻害します。

  • 報・連・相の停滞: 些細な確認や相談がお互いにしづらくなり、情報共有が滞ります。
  • 協力体制の崩壊: 困っている同僚がいても助け合う意識が薄れ、チームワークが機能しなくなります。
  • 責任のなすりつけ合い: 問題が発生した際、根本原因の解決よりも責任の所在を巡る争いに時間が割かれるようになります。

結果として、個人の感情のもつれが組織全体の業務効率を悪化させ、予期せぬ場所でボトルネックを生み出す可能性があります。

トラブル発生時に、当事者間で冷静かつ建設的に話し合い、事実関係と責任範囲を明確にすることが、健全な関係を維持し、業務を円滑に進める上で極めて重要になります。

理由3:トラブルの再発による顧客からの信頼を失う危険性

もしあなたが他者のミスを「自分が何とかすればいい」と安易に背負い込んでしまうと、ミスをした本人が「今回は運が良かった」「誰かがカバーしてくれる」と、根本的な原因と向き合わないまま放置される危険性があります。

ミスを犯した本人が、その原因を深く理解し、再発防止策を講じなければ、同じ種類のトラブルは高確率で再発します。

  • 連鎖的な問題発生: 一つのミスが次のミスを引き起こし、より大きな問題へと発展することも少なくありません。
  • 顧客満足度の低下: 同様のトラブルが繰り返し発生すれば、顧客は会社に対して不信感を抱き、「この会社はしっかり対応してくれない」「品質が悪い」と判断するようになります。
  • ブランドイメージの毀損: 最終的には、会社の評判やブランドイメージが大きく損なわれ、新規顧客の獲得や既存顧客との関係維持が困難になる可能性があります。

これは、単なる「デメリット」では済まされない、会社の存続に関わる重大なリスクです。

個々のミスの処理だけでなく、その背景にある根本原因を特定し、当事者が再発防止の意識を持つように、適切な指導と仕組み作りが必要です。

責任を押し付けられないようにするための対策

1. ミス報告時のルールを事前に決める

トラブル発生前に、ミス報告のルールを決めて上司・同僚に周知するとよいでしょう。

その場の判断ではなく、事前に決まったルールに従うことで、批判を受ける心配が減ります。

例えば、トラブル報告のルールは以下のように決めると責任転嫁されにくくなります。

  • トラブルが起きた時の報告は〇〇さん(〇〇さんがいない場合は、現場で年次が高い人が対応する)
  • 上司は関係者全員に個別でミスについて聞き取りをする

前者の対応で報告者がミスしたわけではないことになりますし、後者の対応で偏った意見で判断されなくなり一人が責任を被らなくて済むでしょう。

この方法の場合、あなたから上司にルール設定を提案する必要があります。

職場の環境的に、決まりを作ることが難しい場合は次の対策方法を実践いただければと思います。

2. ミスした人がいない場所で上司に報告する

トラブル発生時、ミスの詳細を報告する際、当事者が近くにいると話しにくいだけでなく、感情的なやり取りに発展するリスクもあります。

上司には、まずは落ち着いた環境で、客観的な事実のみを伝えることを心がけましょう。

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部下

お忙しいところ恐れ入りますが、先ほどの〇〇の件でご報告とご相談があります。

少々込み入った話になりますので、別のお時間、または場所でお話しさせていただけますでしょうか。

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上司

分かりました。場所を変えましょう。

〜ミスした人がいない場所へ移動〜

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上司

ここなら問題ないでしょう。

先ほどのトラブルについてですか?

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部下

はい、そうです。

あのトラブルの原因は、モノの配置にミスがあったためです。

この配置はAさんにお願いした作業で、私は最終確認を担当しました。

最終確認が甘く、Aさんのミスに気づけなくて、申し訳ありませんでした。

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上司

状況の共有をありがとうございます。

私からもAさんに指導をしておきますね。

上司が状況を正しく理解できれば、不当にあなたが責められることを防げます。

また、当事者への適切な指導が促され、同じミスが再発する可能性を低減できます。

これにより、あなたの気持ちも晴れ、関係性への懸念も減るでしょう。

3. 上司よりも上の人に報告する

上司にトラブルの原因を伝えても「あなたが悪い」と言われてしまう可能性があるからです。

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上司

あなたがミスに気付かなかったのが悪い。

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部下

Aさんと私の2人でのミスなのに、私が全て悪いことになってる…。

私も悪いんだけども…。

話を聞いてくれない上司に何があったか伝えても意味がないので、さらに上の上司に報告しましょう。

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しろろ

私自身、上司に責任を押し付けられた時、その上の上司に相談して救われました!

上の上司もダメな場合は、更に上の上司に相談すればOKです。

4. 健康管理室や産業医に相談する

社内で解決しにくい場合は、健康管理室や産業医といった外部の専門家に相談するのもおすすめです。

健康管理室と産業医を設置している企業は多いのではないでしょうか。

専門家の助言を得ることで、精神面や健康面のケアが受けられ、被害を最小限に抑えられます。

責任を押し付けられた時の注意点:安易な「愚痴」は避ける

不当に責任を押し付けられた時、誰かに話を聞いてほしいと思うのは当然の感情です。

しかし、職場の人(上司以外)に安易に愚痴をこぼすのは、新たなトラブルの火種になりかねないため、特に注意が必要です。

なぜ、同僚への愚痴がNGなのか?

下記3つのリスクがあるので、同僚への愚痴は控えたほうがよいでしょう。

1.情報が歪んで伝わるリスク

あなたが「事実を共有したい」と思って話しても、受け取った同僚がその情報を脚色したり、誤解して第三者に伝えたりする可能性があります。

これにより、意図せず「ミスした人=悪人」というネガティブな評判が広がり、当事者が職場で孤立したり、働きにくくなったりする事態を招くことがあります。

2.新たな加害者になってしまう可能性

あなたの愚痴が原因で、ミスの当事者が精神的に追い込まれ、心身の健康を損なってしまうような事態になれば、あなたは被害者から一転して「加害者」の立場になってしまう危険性もゼロではありません。

これは、あなたが最も避けたい状況のはずです。

3.信頼関係の毀損

会社は、個人間のトラブルを解決する場ではありません。

安易な愚痴は、チーム内の信頼関係を損ね、余計な摩擦を生む原因になります。

では、誰に相談すべきか?

感情的にならず、冷静に対処するためには、適切な相談相手を選ぶことが非常に重要です。

信頼できる上司

まずは、あなたの直属の上司、またはその上の上司など、客観的に状況を判断し、適切に対応してくれる立場の人に相談しましょう。

事実を冷静に伝え、改善のための助言やサポートを求めます。

社内の相談窓口

健康管理室や産業医、人事部内の相談窓口など、社内に設置されている専門部署を活用しましょう。

これらは、守秘義務があり、中立的な立場からアドバイスやサポートを提供してくれます。

精神的なケアが必要な場合も、専門家が対応してくれます。

社外の専門家や信頼できる友人・家族

社内で解決が難しい場合や、純粋に話を聞いてほしい場合は、守秘義務のあるカウンセラーや弁護士、あるいは完全に仕事とは関係のない親しい友人や家族に相談しましょう。

ただし、社外の人への相談は、あくまで情報漏洩に注意し、個人の感情整理に留めるべきです。

まとめ

他人のミスを背負うと、あなた自身はもちろん会社全体にも悪影響が及びます。

あなたが他者のミスを被ると、会社が損をする理由
  • あなたが働けなくなり、労働力を失う可能性がある
  • あなたとミスした人の関係悪化により、仕事が円滑に進まなくなる可能性がある
  • トラブルの再発により、依頼者からの信頼を失う可能性がある

あなたと会社のためにも、同僚のミスを被らないようにするには以下の方法を実践するとよいでしょう。

上の項目から行い、ダメな場合は次の項目で対応していただければと思います。

他者のミスを被らないための方法
  1. ミス報告時のルールを決める
  2. ミスした人がいない場所で上司に報告する
  3. 上司よりも上の人に報告する
  4. 健康管理室や産業医に相談する

あなたと会社の未来を守るために、まずは自分の役割と責任の所在を明確にし、冷静かつ効果的な対策を講じることが求められます。

思いやりあるコミュニケーションとルール作りが、職場の信頼関係を守り、業務全体の円滑な進行につながるのです。

最後に

職場でのトラブルは誰にでも起こりうるものです。しかし、他人のミスを自分が背負う必要は全くありません。

事前のルール整備と適切な報告体制を整えることで、無用な責任追及を防ぎ、安全で健全な職場環境を実現しましょう。

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お仕事は辛いこともありますが、多様な人々と働くからこそ味わえる喜びもあると思うので、一緒に頑張りましょう!

この記事を通して、誰もが安心して働ける環境づくりを一緒に目指したいと思っています。

ミスの責任を押し付けられない職場環境が、みんなにとって働きやすく、喜びに満ちた場になります。

本記事を参考に、ぜひ職場での対応に役立てていただけますと幸いです。

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