
しろろ
こんにちは、しろろです。
普段、会話で自分の意図が伝わっている自信はありますか?
もしかすると、「論理的に話せていないかも…」と感じたことがあるかもしれません。
会社の研修などで、ロジカルに話すためにビジネスフレームワークを学んだ方が多いと思います。
ビジネスフレームワークとは仕事で役立つ枠組みを指し、以下のものがあります。
- MECE
モレなくダブりなく、物事を分けるためのフレームワーク
- ロジックツリー
設定した問題の要素を分解し、解決策を見つけるためのフレームワーク
- 5W1H
Who・What・Why・Where・When・Howの6つの要素により情報を整理するためのフレームワーク
- ピラミッド構造
主張や根拠を明瞭に伝えるためのフレームワーク

しろろ
ビジネスフレームワークは大事だと分かっていても、上手く使いこなせないことがありますよね…
実は、「ピラミッド構造」などのツールを使わずに、もっとシンプルに論理的な話し方をする方法があるんです!
今回は三谷宏治著の『一瞬で大切なことを伝える技術』を参考に、ビジネスフレームワークなしで言いたいことを相手に伝える方法を紹介します。
ロジカルシンキングに挫折した人でも、この方法なら実践しやすいかもしれません!
なぜ、意図が伝わらないのか?
まずは、相手に伝わらない原因を把握することから始めましょう。
三谷氏は、「伝えたい内容」と「話の目的」がずれていることが主な原因だと述べています。

しろろ
身の回りで下記のような問題が起きていませんか?
①まとまりのない会話
話し手が思いついたままに話すので、重要な点がぼやける
②収束しない議論
ロジカルシンキングの手法にこだわり、結論を導けない
③結論が出ない会議
決定理由や重要度が共有されていないので、決める会議なのに思いつき発言ばかり出てしまう
話したいことを明確にすることで、これらの問題は以下のように解決できます。
①簡潔な会話
話し手が順番を意識して話すので、聞き手に重要な点が伝わる
②重要思考で交わす議論
お互いにとって重要な点を確認しながら話すので、議論がかみ合い納得のいく結論になる
③結論が出る会議
決める理由や自分たちにとっての重要度が共有されているので、効率的に意思決定ができる
次の章では、そのための大切な力「重要思考」について詳しく解説します。
ビジネスフレームワークに頼らず伝える「重要思考」
重要思考とは、言いたいことをはっきりさせる力です。この考え方を身につけると、以下のメリットが得られます。
- 意図が正確に伝わる 自分の考えが明確になるため、相手にもその要点がしっかり届く
- 相手の発言を受け止められる 双方向のコミュニケーションが円滑に進む
- 質疑応答・議論がスムーズに 明確な主張に基づいたやり取りが可能になる
では、具体的な実践ステップを見ていきましょう。
ステップ1:情報の 「重み」と「差」を捉える
まず、話す内容の中で以下の点を明確にします。
重み:その情報や事実がなぜ重要なのか、相手がどの点に注目すべきか
差:他の選択肢や事実と比べ、何が優れているのか
例)「洗浄力が高く、価格が安いので、洗濯用洗剤Aが売れた」という主張の場合
重み:消費者は洗浄力の高さと価格の安さを重視する

差:洗剤Aは他社製品より洗浄力が高く、価格も安い

このように、具体的な理由と比較情報を提示することで、主張に説得力が生まれます。
ステップ2:情報を「かたまり」と「繋がり」で整理する
次に、伝えたい内容をいくつかの短い「かたまり」に分け、それらの論理的な「繋がり」を明示します。
かたまり:具体的なデータや事実、例示をひとまとめにした文
繋がり:それぞれのかたまり同士の因果関係や関連性(例:「~だから、~」)
具体例でイメージしてみましょう!
- かたまり①:「洗浄力が高く、価格も安い」
- かたまり②:「洗濯用洗剤Aが売れた」
- 繋がり:「かたまり①の特長があるから、かたまり②の結果が出た」(つまり、①→② という流れ)

このように、情報同士の関係を整理すると、主張がより説得力を持つようになります。
「かたまり」の強化:具体的な数値や比較で裏付ける
かたまり①の「洗浄力が高く、価格が安い」といった情報は、そのままでは曖昧です。
そこで、読者が納得しやすくなるよう、具体的な数値や比較対象を加えましょう。
- NG例: 「洗浄力が高い、価格が安いので売れた」 → 抽象的で説得力に欠ける
- OK例: 「洗濯用洗剤Aは競合製品より洗浄効果が10%向上し、平均価格より30円安い」 → 数値と比較対象を示すことで、根拠が明確になります
具体的な情報が入ることで、「なぜこの製品が優れているのか」が分かりやすくなります。
「繋がり」の強調:因果関係の明確化
各かたまり間の関連性がどれほど強いか、つまり因果関係がどれだけ明確かも重要です。
たとえば、洗剤Aが売れた理由が完全に「洗浄力と価格」だけによるのか、あるいはブランド力やマーケティングなど、他の要因も絡んでいるのかを検証する必要があります。
強い繋がり: 「消費者調査の結果、購入理由の90%が洗浄力と価格だった」
弱い繋がり: 「購入要因は多数あり、洗浄力と価格は一因に過ぎない」
このように、各要素の因果関係の強弱を把握することで、さらに説得力のある主張が可能になります。
ステップ3:重みと差のバランスを見直す
まとめた「重み」と「差」が、実際に相手に響くものかどうかを再評価しましょう。
例えば、以下のポイントです。
- 「洗浄効果が10%向上」と言うだけでは、その数字がどれほど魅力的か不明瞭な場合がある
- 価格面の優位性や、他の要因とのバランスも併せて考える
この見直しのプロセスが、あなたの伝えたいことをさらに明確かつ説得力のあるものにしてくれます。
まとめ
話が伝わらない原因は「伝えたい内容」と「話の目的」がずれていることにあります。これが、会話のまとまりや議論の収束が難しくなる一因となっています。
従来のフレームワーク(MECE、ロジックツリー、5W1H、ピラミッド構造)も有用ですが、使いこなせない場合も多いのが現実です。
これらの複雑な手法に頼らずに、よりシンプルかつ効果的に「論理的に伝える」方法として「重要思考」があります。
「重要思考」とは、伝えたい意図を明確にし、相手に分かりやすく届けるための思考法です。
これを身につけることで、意図が正確に伝わり、円滑なコミュニケーションやスムーズな議論・意思決定が実現します。
具体的には、以下のステップで実践します。
- 重みと差を捉える
- 【重み】その情報がなぜ重要なのか、何に注目すべきかを明確にする
- 【差】他の選択肢や情報と比較して、どこが優れているかを示す
- 情報を「かたまり」と「繋がり」で整理する
- 情報を具体的なデータや事例ごとに分け(かたまり)、それぞれの因果関係や関連性(繋がり)を論理的に示す
- 重みと差のバランスを見直す
- 具体的な数値や比較対象を用いて、主張が本当に相手に響くものかを再評価する
情報を整理し、重みや差、そして各要素の繋がりを明確に伝えることで、従来のフレームワークに頼らずとも論理的で説得力のあるコミュニケーションが可能になります。
最後に
まずは、紙に自分の考えをぶつけてみることから始め、重みや差、そして情報の繋がりを繰り返し整理してみましょう。
その積み重ねが、あなたの「伝える技術」を確実に高め、相手に響く言葉を生み出します。
さらに、相手に分かりやすく伝えるためのポイントについては、別記事も参考にしてください。
また、MECEなどのフレームワークと重要思考を組み合わせることで、より効率的に主張をまとめることが可能です。
MECEについては、以下の記事をご覧いただくと、さらに論理的なコミュニケーションが身につくでしょう。
三谷宏治著『一瞬で大切なことを伝える技術』では、議論やファシリテーションの技法も紹介されていますので、ぜひチェックしてみてください。
今回もお読みいただき、ありがとうございました!
この方法で、あなたの「論理的な伝え方」がさらに向上するヒントを掴んでいただければ幸いです。