しろろ

こんにちは、しろろです。

あなたは相手に話が伝わらなくて困った経験はありますか?

「同僚に〇〇をお願いしたのにやってくれていない」、「上司にトラブルの報告をしたが分かってもらえない」といった経験があるのではないでしょうか。

私は上司に「話が回りくどい」と言われたことがあります。その原因が分からず、悶々としていました。

ある時、安達裕哉著の『頭のいい人が話す前に考えていること』を読みました。

この本では、頭のいい人のマインド7個思考法5個を紹介し、頭のいい人になる方法を説明しています。

今回は本書を基に相手に伝わる話し方をご紹介します。

話し方を変えるだけでは、相手に伝わらない

相手に伝わる話し方の本はたくさんあると思います。

しかし、そのような本を読んでテクニックを使っても、上手く話しが伝わらないと感じていませんか?

話し方を変えるだけでは、相手が理解しやすいように話せるようになるとは限りません。

話が伝わらない原因として「考えが足りていない」可能性があるからです。

例えば、友人や恋人に「どっちの服がいいと思う?」と聞かれて正直に答えた時に、相手から「ちゃんと考えてくれた?」と言われた経験はありませんか。

もちろん、あなたは考えた結果を伝えています。しかし、相手が迷っている理由を聞かず、自分が思ったことを伝えていますよね。

上記のような人からの相談は「相談相手からのアドバイス」を求めているのではなく、「相談者の考えの整理」を求められていたのです。

自分の意見を言うことは「相手を論破したり、課題解決したりすることで、優越感に浸りたい」だけです。

まずは、人に何を求められているかを明確にする必要があります。

そのため、今回の場合だと「どうして服を悩んでいるの?」と確認した後に、相手が考えを整理するのに役立つ情報を伝えれば良かったのです。

では、相手の考えを理解した後、どのように話せば相手が納得してくれるのでしょうか。

相手を納得させるためにできること

信頼できる根拠を示す

テレビやSNSなどの情報を鵜呑みにして、自分の考えを示すと、相手から「この人、ちゃんと考えてないな」と思われてしまいます。

テレビなどの情報に誤りがあると言いたいのではなく、他の意見もあるかを確認してほしいです。

様々な媒体で信頼できる情報を考慮したならいいのですが、1つの情報のみを参考にすると偏った意見になる可能性があります。

2024年12月に兵庫県知事 斎藤氏のパワハラ疑惑が問題になりました。メディアに叩かれた斎藤氏は出直し選挙で劣勢でしたが、SNSの活用で支持者を増やして返り咲きました。

ここで問題なのは、信頼できる情報ではなく、自分の信じたい情報により考えをまとめていないかという点です。

人は自分にとって都合のいい情報を集め、都合の悪い情報を無視する性質があります。

メディアでは選挙期間中に法律で公平な報道が求められますが、SNSでは求められません。

SNSの情報が全て嘘とは言いませんが、パワハラが捏造だという投稿は情報の信憑性に注意が必要でした。

斎藤氏の支持者が、斎藤氏のイメージを良くするために願望を書いている可能性があるためです。

2025年3月に、兵庫県議会が斎藤氏のパワハラなどの疑惑が事実だと認定しました。

このようにSNSで得た情報が正しいとは限りません。例のような選挙以外でも、新型コロナウイルスの流行時にもデマが流れました。

人の意見に惑わされず、信頼できる情報を掴み、相手へ提示するようにしましょう。

得た情報が正確であるかを判断するには、科学的思考力が役立ちます。下記の本(第1章)で説明があるので、ご興味があればご一読ください。

正確な意味で言葉を使用する

あなたは「明瞭」と「明確」の意味に違いがあることを認識していますか。

Weblio辞書によると、これらの意味は下記になります。

明瞭:はっきりしていること。また、そのさま。

明確:はっきりしていてまちがいのないこと。また、そのさま。

「明瞭」と「明確」はどちらもはっきりしていることですが、前者は分かりやすいこと、後者は間違いがないことを表します。

例えば、「ヘッドフォンの音声が〇〇に聞こえるように修理してください」と言う場合、〇〇は「明瞭」が正しいです。このように、似た言葉でも完全に意味が一致するわけではないです。

言葉の定義を明確にすると、自分の見ている世界が鮮明になり、相手に話が伝わるようになります。

私が上司に「話が回りくどい」と言われたのは、言葉の定義が曖昧なので、正確な情報を伝えられていなかったためだと分かりました。

言葉の定義を明確にするには、少しでも分からないと思った文字を辞書で引くことが大切です。そして、文字の意味が分かったら、ノートやメモに残しておくとさらに良いでしょう。

事実と意見を分けて話す

研修などでも「事実と意見を分けましょう」とよく言われますよね。

事実は「実際に起きた事柄」であり、意見は「ある物事に対する考え」を指します。

苺(とちおとめ)を例に挙げると、事実は「苺は赤い」であり、意見は「苺は美味しい」です。

誰でも事実と意見の違いはわかると思います。しかし、事実と意見を区別して話せない人がいるのです。

例えば、下記のような上司と部下の会話を考えます。

上司

〇〇さんとの契約を取れましたか?

部下

契約を取れると思います。

この場合、上司は事実(契約の可否)を確認していますが、部下は意見(契約を取る見込み)を伝えています。

部下が意見を話してしまう原因は、自身の都合がよいように質問を変えてしまったからです。

人は難しい質問に直面すると、簡単な質問に置き換えて答えることがあります。

心理学の分野で、この現象は「ヒューリスティック」と呼ばれています。

対策として「伝えようとしていることが事実と意見のどちらかを考えてから話す」ようにすればよいでしょう。

最後に

話しが伝わらない一因として、考えが足りていない点を伝えました。

また、より深く考えるために下記を意識するとよいとご紹介しました。

  • 信頼できる根拠を示す
  • 正確な意味で言葉を使用する
  • 事実と意見を分けて話す

本書には、相手に伝わる話し方以外にも、頭のいい人を振る舞いなども紹介しています。

あなたの役に立つと思うので、ぜひご一読いただければと思います。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。