決裁者の心を動かす資料作成｜承認されるプレゼン資料の作り方

実は、資料の構成を少し変えるだけで、あなたの企画は劇的に通りやすくなるかもしれません！

私自身、この方法でプレゼン資料を作成したところ、企画がスムーズに承認されただけでなく、なんと他部署から『資料作成のお手本』として紹介されるという嬉しい経験をしました。

この成功体験をもとに、今回は決裁者の心を動かし、あなたの提案を確実に承認に導くための資料作成のコツを、余すことなくご紹介します。

ぜひ、皆さんのスライド作りに役立てて、職場での評価と成果を向上させてください。

上司に承認されないプレゼン資料とは？

提案内容は適切なのに承認されない原因は、以下の3つが考えられます。

何を伝えたいか分からない

人の発表を聞いている時に、何のために説明されているのか分からなくなった経験はありませんか？

たとえば、『今期の営業戦略について』というタイトルだけで、導入で『当社の市場シェア拡大に向けた新たな営業チャネルの提案』といった具体的な目的が提示されない資料です。

この発表で何を伝えるのかを明確にすることで、受け手は内容を理解しやすくなります。

上司に感情を意識した内容になっていない

「この提案を承認したい」と思わせるように、資料の構成を工夫する必要があります。

たとえば、『コスト削減案』を提案する際、単に削減額を並べるだけでなく、『削減できた費用で、社員の働きがい向上施策を実施できます』といった上司や組織のメリット（感情に訴えかける点）を強調します。

このような発表方法を「ロジカルプレゼンテーション」と呼び、提案を角度高く通すために有効です。

正論をぶつけず、相手の感情を意識した発表をすることで、自分の意見を受け入れてもらいやすくなります。

提案を受け入れたくない理由がある

「仕事が増えると嫌なので、論理的な理由をつけ、裁量権を使って提案を断ろう」という理由で、受け入れてもらえないことがあります。

その場合、資料の不備を指摘して、提案を拒否しようとします。

減点されない資料で発表することで、相手に否定される隙を作らなければ、その提案は承認されるはずです。

上司に承認される資料作成のポイント

資料作成のコツを4つご紹介します。

1. 最初と最後に、発表内容の概要を伝える

表紙スライドの次に、発表概要のスライドを用意する

人と話す際は、「結論」を先に伝えることが鉄則です。

15分以上の発表だと、結論が出るまでに時間がかかるので、話し手が伝えたい事がすぐに分からず、聞き手は疲れてしまうからです。

「結論」を先に知れると、安心して話者の発表を聞けます。

プレゼンテーションの最後に、概要のスライドを示す

「親近効果」によって、受け手の理解度を向上できるからです。

「親近効果」とは、アメリカの心理学者が提唱した「最後に紹介されたものが記憶に一番残りやすく、後の判断に大きく影響する」という理論です。¹

発表時間が15分よりも短い場合は、最初と最後に概要スライドを入れると、他の話ができなくなってしまいます。説明時間が少ない場合は、最後のみ概要スライドを入れ、相手の印象に残るようにしましょう。

2. 現状で達成したこと→未達成なことの順で説明する

提案する際に、未達成なこと（現状の問題点など）を最初に話さないようにします。

この状態を作った上司に対するダメ出しであり、上司の気分を損ねれば、提案に賛成していただける可能性が下がるためです。

たとえば、中間報告で上司の顔を立てつつ、以下のように問題提起をするとよいでしょう。

マネージャー陣が達成したことを説明してから、現状の問題点を話すようにしましょう。

3. 問題点→課題→打ち手の順で説明する

ロジックツリーの構成を意識し、以下の順番で説明をします。

1. 社内での問題
2. その問題を解決するための課題
3. 課題を達成するための具体的な打ち手

ITツールの業務活用を推進するための勉強会」を提案したい場合は以下のように伝えます。

上記の説明時に、数値データ（部署ごとのITツール使用者の割合など）や従業員からの意見（アンケートのフリーコメントなど）を盛り込むことで、相手を納得しやすくなります。

4. 構成・表現で減点されないようにする

発表資料内に誤りがあると、提案を承認したくない人にその部分を突かれて提案がNGになる場合があります。

反対意見をが出ないような資料で発表し、上司メンバーが採用するしかない状況を目指しましょう。

以下の記事でも紹介したように、完璧を目指すことは効率が悪いので、相手に指摘されて困る部分がないような資料になれば十分です。

たとえば、資料の構成は首尾一貫した内容になっているか、文章の表現は誰に対しても一義で伝わるようになっているかを確認しましょう。

NG例　問題：ITツールを使える人／使えない人が二極化している

OK例　問題：ITツールを”独力で”活用できる人／”十分に”活用できない人が二極化している

以下の投稿ではダメな文章例を紹介しているので、減点されない資料作成に役立ちます。

まとめ

今回は提案資料を作成するためのコツをお伝えしました。

上記のコツを意識して資料を作成していただき、提案が了承されることをお祈りしています。

最後に

まずは、次に作成するプレゼン資料で、『何を伝えたいか』を冒頭と最後に明確に記載することから始めてみましょう。

そして、プレゼン後には上司や同僚にフィードバックをもらい、改善を繰り返すことが、あなたのプレゼン資料を次のレベルへと引き上げます。

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プレゼン資料の精度を上げたい方は、以下の記事もお役に立てると思います。

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引き続きよろしくお願いいたします！

1. Anderson, N. H. (1971). Integration theory and attitude change. Psychological Review, 78(3), 171-206. ↩︎