この記事で解決できるお悩み
  • ソーシャルスタイルってなんだろう?
  • 会社に苦手な人がいて働きにくい
  • 考え方が異なる相手とも円滑なコミュニケーションをとりたい

しろろ

こんにちは、しろろです。

職場や日常の人間関係で、こんな悩みはありませんか?

  • 同僚との考えが合わない…
  • 苦手な上司と話しにくい…

実は、これらの悩みは「ソーシャルスタイル」というアプローチで解消できるかもしれません。

ソーシャルスタイルとは、アメリカの産業心理学者デビット・メリル氏が提唱したコミュニケーションの理論です。人の振る舞いや考え方を4タイプに分類します。1

相手のタイプに合わせたコミュニケーションを取ることで、話がスムーズに進み、対人関係のストレスが軽減されます。

本記事では、室伏順子著『苦手なタイプを攻略するソーシャルスタイル仕事術』2をもとに、ソーシャルスタイルの理論とその概要、そして実践すべきコミュニケーション術について解説します。

なぜ人は相手を「苦手」だと感じるのか?

まずは人に苦手意識をもってしまう原因を考えましょう。

人は、自分と異なる考えや行動パターンを持つ相手に違和感や否定的な感情を抱きがちです。

しろろ

同僚が後輩にきつい言葉で指導する姿を見て、「この人、苦手だ…」と感じることはありませんか?

また、無意識に「自分が正しいので相手も同じであるべき」という考えが働き、結果として異なる視点を受け入れにくくなります。

しかし、タイプの異なる歴史上の偉人たち(織田信長、明智光秀、豊臣秀吉、徳川家康)が天下を取ったように、各タイプで強み・弱みがあるだけで優劣はありません。

異なるタイプが集まることで弱みを補い合い、強い組織が作られます。

まずは、互いの違いを否定せずに受け入れることが第一歩です。

ソーシャルスタイルの概要

ソーシャルスタイルは、個人の言動や振る舞いを「自己主張の強弱」「感情表現の大小」という2軸で評価します。

自己主張の強弱

  • 強い:自分の意見をはっきり伝える
  • 弱い:意見を内に秘め、控えめな態度

感情表現の大小

  • 大きい:表情やジェスチャーに感情を込めて話す
  • 小さい:論理的に、冷静に伝える

これらの特徴を表にまとめると以下のようになります。

表1.自己主張の強弱に関する特徴

自己主張弱い
意見を内に秘める
自己主張強い
意見を言う
話し方・話すスピードがゆっくり
・他の人の意見を聞いてから話す
・婉曲に話す(クッション言葉を入れる等)
・話すスピードが速い
・自分から話す
・ストレートに話す
意思決定・行動・動きが穏やかでゆっくり
・結果よりプロセスを大事にする
・慎重に振舞う
・動きが速い
・プロセスより結果を大事にする
・精力的に動く
基本の姿勢・リスクを避ける
・対立を避ける
・リスクに挑戦する
・対立を辞さない

表2.感情表現の大小に関する特徴

感情表現小さい感情表現度大きい
話し方・ポーカーフェイス
・身振り手振りはあまりない
・論理的に筋道を立てて話す
・表情豊か
・身振り手振りをしながら話す
・感情を込めて話す
話の内容・仕事に関する話題を好む
・感情を表現する言葉が少ない
・会話に、情報、データ、数字が多い
・人に関する話題を好む
・感情を言葉にする傾向がある
・会話にたとえ話やエピソードが多い
基本の姿勢・一人でものごとを進める傾向がある
・ビジネスライクな雰囲気がある
・人と一緒に仕事を進める傾向がある
・親しみやすい雰囲気がある

この2軸の組み合わせにより、以下の4タイプに分類されます。

『苦手なタイプを攻略するソーシャルスタイル仕事術』では、歴史上の偉人でタイプを分けています。

今回は戦国武将だけでなく、私の判断で『ONE PIECE』のキャラクターも各スタイルに分類しました。

  • ドライバー  織田信長/ゾロ (自己主張  × 感情表現 
  • アナリティカル  明智光秀/ロビン (自己主張  × 感情表現 
  • エミアブル    徳川家康/サンジ (自己主張  × 感情表現 
  • エクスプレッシブ 豊臣秀吉/ルフィ (自己主張  × 感情表現 

ソーシャルスタイル活用のメリット

ここで、ソーシャルスタイルを活用するメリットをご紹介します!

相手のタイプに合わせてコミュニケーションをすれば、下記の達成に繋がります。

仕事の効率アップ

異なるタイプ同士でもスムーズに意思疎通ができ、生産性が向上する

苦手なタイプの攻略

苦手意識を解消し、ストレスフリーな対人関係が築ける

提案力&交渉力の向上

相手のスタイルに合わせてメッセージを変えることで、相手に意見を受け入れてもらいやすくなる

特に、自分と正反対タイプの考え方を押さえておくとよいでしょう。

私自身、エクスプレッシブの上司とアナリティカルの同僚との調整を図ることで、業務の効率や対人関係が大きく改善された経験があります。

ONE PIECEで学ぶ4タイプ

ここでは、少年漫画『ONE PIECE』のキャラクターに例えて各タイプの特徴と接し方を説明します。

1. ドライバー(織田信長/ゾロ)

ドライバーの特徴と接し方をご紹介します。

ドライバーの特徴

ドライバーには4つの特徴があります。

ワンピースのキャラクターで言うと、簡潔に話すゾロです。

ゾロ
ロロノア・ゾロのイラスト(ONE PIECE)/引用元:いらすとや

ドライバーへの接し方

ドライバーには3つのポイントを意識して接しましょう。

ドライバーは、仕事を「限られた時間で最大の生産性を上げること」だと考えています。

ドライバーと話す際は、物事の選択・集中を心掛け、ムダな会話をしないようにしましょう。

2. アナリティカル(明智光秀/ロビン)

アナリティカルの特徴と接し方をご紹介します。

アナリティカルの特徴

アナリティカルには4つの特徴があります。

ワンピースのキャラクターで言うと、いつも冷静沈着なロビンです。

彼女はドライバー要素もありますが、ルフィの意見を尊重しているのでアナリティカルに分類しました。

ロビン
ニコ・ロビンのイラスト(ONE PIECE)/引用元:いらすとや

アナリティカルへの接し方

アナリティカルには4つのポイントを意識して接しましょう。

アナリティカルは、仕事を「手順に従い、予想外のことが起きないよう時間をかけて進めたい」と考えています。

私たちは急なスケジュール変更や業務の追加は控えましょう。

3. エミアブル(徳川家康/サンジ)

エミアブルの特徴と接し方をご紹介します。

エミアブルの特徴

エミアブルには3つの特徴があります。

ワンピースのキャラクターで言うと、相手を尊重する優しいサンジです。

ゾロと喧嘩してしまうのは、正反対のスタイルで考え方が合わないことが関係していそうです。

サンジ
サンジのイラスト(ONE PIECE)/引用元:いらすとや

エミアブルへの接し方

エミアブルには4つのポイントを意識して接しましょう。

エミアブルは、一人での仕事は好まず、仲間と協力しながら働きたいと考えています。

目立たないところでみんなをサポートしているので、気づいたら感謝の気持ちを伝えましょう。

4. エクスプレッシブ(豊臣秀吉/ルフィ)

エクスプレッシブの特徴と接し方をご紹介します。

エクスプレッシブの特徴

エクスプレッシブには4つの特徴があります。

ワンピースのキャラクターで言うと、ルフィです。

そのエネルギーで周囲を巻き込み、楽しみながら仲間と一緒に海賊王を目指す姿はエクスプレッシブです。

ルフィ
モンキー・D・ルフィのイラスト(ONE PIECE)/引用元:いらすとや

エクスプレッシブへの接し方

エクスプレッシブには3つのポイントを意識して接しましょう。

エクスプレッシブは、リスクにこだわらず、新しい企画や面白い挑戦を好みます。

エクスプレッシブのやり方に不安を感じても、話を聞いてビジョンを共有しましょう。

彼らを否定すると、強みを発揮できずに残念な結果になります。

ソーシャルスタイルが役立った体験談

ソーシャルスタイルを理解していなかったため、同僚(くろろ)を不機嫌にさせてしまった経験と対処方法をご紹介します。

同僚が不機嫌になった会話

私と同僚(くろろ)は下記のやり取りをしました。くろろが不機嫌になった理由を考えながら、読んでもらえると嬉しいです。

しろろ

実験で使うプレートがなくなっちゃった。新しく購入しないと。

くろろ

みんなが消耗品を置いているところに、ストックがあるんじゃない。

しろろ

前は置いてあったけど、今は〇〇を置いてないよ。

くろろ

私が使ってた時はあったよ。

しろろ

くろろが使ってた1年半前はあっただろうけど、今はないよ。

くろろ

……(不機嫌)。

くろろが不機嫌になった理由は分かりましたか?

この原因は、同僚(くろろ)のソーシャルスタイルがドライバーであるためでした。

親切のつもりでも、相手にとっては余計なお世話になる場合がある

ドライバーは自分で結果を知りたいので、他人からのアドバイスを嫌います。

今回の事例だと、私が「消耗品置き場にプレートがない」と断言して結果を決めつけたので、同僚は不機嫌になったようです。

今回の場合は、結果を伝えるのではなく「消耗品置き場を確認してきたら?」と伝えれば、ドライバーは消耗品置き場を確認して自分で結果を判断できるので満足したと考えられます。

たとえ消耗品置き場にプレートがなかったとしても、ドライバーは「プレートはなかった」と笑いながら戻ってくるはずです。

ドライバーには結果を伝えるのではなく、相手が結果にたどり着けるようアシストしましょう

相手のソーシャルスタイルに合わせた会話

上記の失敗で学んだ私は、同僚(くろろ)が結果を判断できるようにしました。

くろろ

試薬ってどこに置いてあるかな?

しろろ

試薬は3Fの倉庫に置いてあるよ。

くろろ

3Fの倉庫に見当たらなかったよ。

しろろ

そっか…。一緒に倉庫を探してみようか。

くろろ

お願いします。 

~倉庫を確認後~

くろろ

試薬があって良かった。ありがとう(上機嫌)。

今回の件で、相手のソーシャルスタイルに合わせてコミュニケーションをする大切さを痛感しました。

あなたがドライバーの方とお話しする際は、「答えを伝えず、答えを見つけるようフォローする」とよいでしょう。

他のスタイル(アナリティカル・エミアブル・エクスプレッシブ)とのコミュニケーションを向上させたい場合は、そのタイプに合わせて対応をしましょう。

ソーシャルスタイルの活用例を更に学びたい方は以下の記事もおすすめです。

まとめ

ソーシャルスタイルは、個人の言動や振る舞いを「自己主張の強弱」「感情表現の大小」という2軸で評価し、4タイプに分類する理論です。

  • ドライバー  織田信長/ゾロ (自己主張  × 感情表現 
  • アナリティカル  明智光秀/ロビン (自己主張  × 感情表現 
  • エミアブル    徳川家康/サンジ (自己主張  × 感情表現 
  • エクスプレッシブ 豊臣秀吉/ルフィ (自己主張  × 感情表現 

ソーシャルスタイルの理論を活用すれば、自分と異なる考えや行動パターンを持つ人ともうまくコミュニケーションでき、対人関係のストレスを大幅に軽減できます。

「相手を否定せず受け入れる」ことが、まずは第一歩です。

異なるタイプの人々が集まれば、まるで麦わらの一味のような強固な組織が築かれ、大きな成果を生み出すことができるでしょう。

最後に

ソーシャルスタイルを学ぶことで、苦手な人がいなくなれば、仕事もプライベートも充実します。

『苦手なタイプを攻略するソーシャルスタイル仕事術』には、他にも報・連・相やリーダーシップに関しても記述があります。ご興味があればぜひ手に取っていただければと思います。

コミュニケーションスキルの向上を目指す方は、以下の記事も役に立つかと思います。

この記事が参考になったら、ぜひコメントやシェアをお願いします!

X(旧Twitter)でも情報発信をしているので、しろろの仕事術ラボをフォローして、応援していただけると嬉しいです。

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

引き続きよろしくお願いいたします!

【記事作成に使用した書籍】

  1. David W. Merrill, Roger H. Reid. Personal Styles & Effective Performance. Chilton Book Company, 1981年, 248p. ↩︎
  2. 室伏順子. 苦手なタイプを攻略するソーシャルスタイル仕事術. クロスメディア・パブリッシング(インプレス), 2011, 240p.  ↩︎

Footer Image