- 会議で黙っている人の心理が分からない
- 発言しない人の意見を引き出したい
- 会議をもっと活性化させたい

しろろ
こんにちは、しろろです。
会議で「何か意見はありますか?」と聞いても、無言のままの人がいますよね。
けれど、実はそんな人こそ、有益な意見や鋭い視点を持っていることが少なくありません。
ソーシャルスタイルを活用すれば、主体的に意見を出さない人も話してくれるようになります。
この記事では、会議で発言しない人のタイプと、その対応方法を解説します。
ソーシャルスタイル理論で分かる「発言する人・発言しない人」
ソーシャルスタイルとは、アメリカの心理学者であるデビット・メリル氏とロジャー・レイド氏が提唱したコミュニケーション理論です。1
この理論では、人の行動パターンを「自己主張の強さ」と「感情表現の豊かさ」という2つの軸で4つのタイプに分類します。2
タイプ名 | 特徴 | 発言傾向 |
---|---|---|
ドライバー | 結果重視・即断即決 | 発言する |
エクスプレッシブ | 感情豊か・アイデア豊富 | 発言する |
エミアブル | 協調性重視・控えめ | 発言しない傾向あり |
アナリティカル | 分析的・慎重 | 発言しない傾向あり |
ワンピースのキャラクターを例に挙げると、下記のように分けられます。

詳細は下記投稿でご確認をお願いします。
発言する/しないは、自己主張の強さで決まります。
特にエミアブルとアナリティカルは自己主張が控えめで、会議では沈黙しやすい傾向にあります。

では、それぞれにどうアプローチすれば良いのでしょうか?
【タイプ別】発言しない人の意見を引き出す方法
エミアブルとアナリティカルに分けて、彼らが「意見を伝えない理由」と「主張を引き出すための方法」をご紹介します。
【エミアブル】心理的な敷居を下げる
エミアブルタイプが会議で発言しない最も大きな理由は、「人間関係の調和」を何よりも大切にしているからです。
彼らは自分の意見を主張することで、他者との間に摩擦が生じたり、場の雰囲気を壊してしまったりすることを強く恐れます。
たとえば、「来週はA案で仕事をします」と発言した時に、相手から「B案がいいに決まってるじゃん」と否定されることを避けたいと考えています。
実際、エミアブルタイプは共感性が高く、他者の感情を敏感に察知します。
そのため、もし過去に自分の意見が否定された経験があると、「また同じように反論されたらどうしよう」「場の空気を悪くしてしまったら申し訳ない」といった不安を感じ、発言を控えるようになります。
結果として、心の中には素晴らしいアイデアがあっても、人と揉めることを避けるために相手の意見に合わせてしまいがちなのです。
彼らの意見を引き出すには、下記に注意しましょう。
全肯定の環境を作る
どんな内容でも肯定してもらえると分かれば、エミアブルは意見を言いやすくなります。
主張を否定されると、他のソーシャルスタイルでも話しづらいので、どのタイプと話す時にも全肯定が大事です。
特にドライバーは、エミアブルの話を途中で断ち切る傾向があります。ドライバーは早く結論が知りたいのに、エミアブルの話は結論までが長くなりがちだからです。
エミアブルは他者を気遣いながら話をしているので、端的な答えになっていなくても、辛抱強く話を聞くようにしましょう。
「〇〇さんはどう思いますか」と聞く
エミアブルの人に直接質問をしましょう。意見を求めれば、答えてくれるはずです。
直接聞いても発言してくれない場合は、会議後に意見を聞けば答えてくれます。他の参加者に気を遣って、その場で話せなかった可能性があるからです。
心理的な敷居を下げることで、エミアブルの主張を聞き出せます。
【エミアブル】心理的なハードルを下げて、意見を引き出した具体例
以前、会議で問題解決のアイデア出しをしていた時のことです。
あるエミアブルタイプのメンバーが、司会者から意見を求められた際に、少し戸惑った様子で話し始めました。
私は彼が話しやすいように、大きく頷きながら、にこやかにアイコンタクトを送り続けました。
すると、最初は遠慮がちに話していた彼の表情が次第に和らぎ、最終的には非常に具体的な改善策を提案してくれたのです。
この経験から、「心理的な安全」が確保された環境では、エミアブルタイプは安心して本音を話してくれると強く実感しました。
彼らの意見は、会議を深める貴重なインサイトになることが多いので、安心感を与える場の雰囲気作りは非常に重要です。
【アナリティカル】正解を出す敷居を下げる
アナリティカルタイプが会議で沈黙しているのは、彼らが「正解」や「完璧な論理性」を追求する傾向が非常に強いからです。
彼らにとって、情報が不足している段階や、まだ確証のない推測を口にするのは、不完全なアウトプットを出すことと同義であり、それを避けたいという心理が働きます。
たとえば、社内で問題が発生した際、彼らは詳細な情報収集と分析を徹底し、最も効果的で論理的な解決策を導き出してから初めて行動に移そうとします。
「解決策(仮)であっても話さない」のは、その仮説が完璧な検証を経ていない限り、意見として提示することに抵抗があるためです。
彼らの意見を引き出すためには、以下の方法が有効です。
会議資料を事前に渡す
アナリティカルが正解を出す時間を確保するためです。
彼らは会議資料を先に見て、意見をまとめてから会議に参加します。
早めに会議で話す内容を伝えれば、アナリティカルのよく分析された結論を聞けるので、発表者にもメリットがあります。
「想定課題があるとすれば何でしょうか」と聞く
想定課題として確認すると、アナリティカルは話しやすくなります。
現状では正解ではなく、手前の段階(想定課題・仮の解決策)を話せばよいからです。
求める答えの敷居を下げることで、アナリティカルの意見を聞き出しましょう。
【アナリティカル】「完璧」を求めず、意見を引き出した具体例
私は以前、社内発表会の司会を務めた際、発表後の質疑応答で工夫を凝らしました。
通常なら「何か質問はありますか?」と問いかけるところを、「現時点で想定される課題や、より良くするためのアイデアがあれば、どんな些細なことでも構いませんのでお聞かせください」という言葉で促したのです。
この声かけによって、「完璧な質問や正解でなくても良い」という安心感が生まれたのでしょう。
それまで口数の少なかったメンバーからも、「〇〇の部分は、もし△△だったらどうなりますか?」「将来的に◇◇のようなリスクも考えられますか?」といった、非常に深く分析された建設的な意見が次々と出てきました。
この経験を通じて、アナリティカルタイプには、「完璧な答え」ではなく「思考の途中経過」でも歓迎される場を提供することが、彼らの潜在的な知見を引き出す鍵だと確信しました。
まとめ
ソーシャルスタイルに合わせた対応をすることで、普段は発言しない人からも主張を引き出すことできます。
<エミアブルの意見を引き出す>
心理的なハードルを下げる(全肯定の環境を作る等)
<アナリティカルの意見を引き出す>
正解を出すハードルを下げる(対応”案”があるかを聞く等)
上記に注意することで、あなたの開催する打ち合わせで活発な議論ができるようになるでしょう。
まずは、あなたの周りにいる『発言しない人』がどのタイプに当てはまるか考えてみましょう!
最後に
タイプに合わせたコミュニケーションにより、活発な議論に繋がるでしょう。
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