- タスクを溜めてしまう」原因とは?
- タスクを溜めるとどうなるの?
- タスクを溜めない方法とは?

しろろ
チャットの返信や資料作成など、気づかないうちにタスクが積み重なっていませんか?
「やらなきゃ」と思っているのに、タスクがどんどん積み上がっていく——そんな状態に悩んでいませんか?
- 仕事が手につかない
- 何から手をつけるか分からない
- 気づけば締切直前でバタバタ…
この記事では、「タスクが溜まる原因」→「悪影響」→「解決法」の順でわかりやすく紹介します。
読み終える頃には、今日からすぐ使える“タスク管理術”が手に入るはずです。
タスクが溜まる原因とは? 【3種類に分類】
多忙になりやすい要因は以下の3つに分け、タスクを溜めてしまう人の特徴を説明します。
性格・価値観的要因
本人の思考や性格傾向が影響する要因です。行動やスキルのベースになります。
- 真面目:きちんとタスクをこなしたい
- 完璧主義:タスクを完璧にこなしたい
- 好奇心旺盛:新しいことを興味が向き、本来のタスクに集中できない
- 承認欲求が強い:相手に褒められたいと思う
- 優柔不断:決められなくて行動が止まる
認知的・スキル的要因
認知的・実務的なスキルの偏りや不足が影響する要因です。
- タイムマネジメントが苦手
- 優先順位づけが苦手
- セルフマネジメントが苦手
- 集中力が続かない
- 計画と実行のギャップが大きい
行動・習慣的要因
日々の行動パターンや意思決定の癖が影響する要因です。
- Noと言えない
- 後回しにする
- マルチタスクである
- 習慣化できていない
タスクを放置するとどうなるの?

しろろ
気づけばタスクが山積みになっていませんか?
「ちょっと後でやろう」が重なると、いつの間にか自分ひとりでは処理しきれない量になります。
タスクを抱え込んでしまうと、仕事が遅れたり、ミスが増えたりして、あなた自身の心身に大きな負担がかかります。
その結果、チームの他のメンバーにしわ寄せがいき、組織全体の生産性が下がることにもつながります。
最終的には、仕事の質が落ち、納期遅延や顧客対応の遅れなど、会社全体の成果や利益にも影響を及ぼします。

こうした悪循環を断ち切るには、「タスクを溜めない」働き方に切り替えることが不可欠です。
次の章では、タスクが溜まってしまう3つの原因に合わせた、実践的な対策をご紹介します。
タスクを溜めない具体的な方法【要因別に対策】
性格・価値観的要因→認知・スキル的要因→行動・習慣的要因の順で解消していきましょう!
マハトマ・ガンジーの名言にもあるように、内面を変えていくことで表に出る行動が変わっていきます。
マハトマ・ガンジーの名言一覧1信念が変われば、思考も変わる。思考が変われば、言葉も変わる。言葉が変われば、行動も変わる。行動が変われば、習慣も変わる。習慣が変われば、人格も変わる。人格が変われば、運命も変わるのです。
性格・価値観的要因を改善する
性格・価値観的要因を改善するために、以下の3点を実施しましょう!
タスク処理の軸を定める
好奇心旺盛・優柔不断タイプは、作業の目的を明確にすることで、きちんとタスクをこなせるようになります。

しろろ
仕事をする目的を考えて働いていますか?
私の場合は、患者さんに新薬を届けるために働いていますが、あなたも人のために働いているのではないでしょうか。
私たちに降りかかるタスクは、仕事上の目的を達成して成果を生み出すための手段です。
業務を進める軸が明確であれば、タスクの優先順位が見えてくるので、何から処理すべきか迷わなくなるでしょう。
自己効力感を高める
承認欲求が強い方は、自分に自信がない場合が多く、他者に評価されることで自分の存在意義を得ようとする傾向があります。
「自分ならできる」と無意識に思えるようになると、自信が湧きやすくなり、相手からの評価を気にならなくなります。
普段のタスクをこなすだけでなく、あなたの目標達成にも自己効力感は役に立ちます!
以下の記事では、夢の実現のために自己効力感を身に着ける方法を紹介しています。
タスクの完成度は80%を目指す
特に、100%の仕事をしようとする真面目・完璧主義の人に注意していただきたいです。
詳しくは以下のブログをご確認ください。
認知的・スキル的要因を改善する
認知的・スキル的要因を改善するために、以下の3点を実施しましょう!
自分のキャパシティを把握する
まずは、自分がどれだけの作業をできるかを考えましょう。
承認欲求が強い方は褒められたいので、無理をして多くのタスクをこなそうとする場合があります。
しかし、人間が処理できる範囲は限られているので、無理なくこなせる範囲を設定しましょう。
タスク処理の計画をする際に、作業にかかる時間を短く見積もる傾向(計画錯誤)があるというカナダでの研究報告2があるので、ゆとりをもって1.5倍くらいの時間がかかると想定するとよいでしょう。
優先順位をつける
次に、対処する順番を決めましょう。
興味が移りやすい好奇心旺盛タイプ、優先順位を決めても迷いやすい優柔不断な方に意識してもらいたいです。
ここでは、スーパーの業務を例に優先順位の付け方を解説します。
- やるべきタスク(例:品出しやレジ対応)
- 成果に直結するタスク(例:売れる商品の分析とお店のレイアウト変更)
- 成果に直結しないかもしれないが興味のあるタスク(例:最新レジの調査)
この順番で処理をしていけば、❶のタスクを後回しにして、あとで慌てて処理することが減ります。
すぐに❶の対応ができない場合は、Outlookに予定を入れたり、PCにタスクを書いたメモを張り付けたりして忘れない工夫をしましょう。

しろろ
可能であれば、メールの返信やアンケートの回答は後回しにせず、内容をチェックした時に処理できると一番楽です。
後で対応する場合、再度その内容を確認することになり二度手間になるからです。
集中できる環境に身を置く
まずは机の整理整頓をしましょう。
2019年にボンド大学ビジネス・スクール助教授のリビー・サンダー氏らによる研究報告3で、机の上が散らかっていると集中力と生産性が低下することが分かっています。注2
特にスマートフォンはデスクに置かないようにしましょう。スマートフォンの存在で注意力と作業効率に影響が出るという報告があります。
2023年のドイツ・パーダーボルン大学による研究報告4では、スマートフォンが近くにあるだけで、注意力が低下することが示されています。
また、ヴュルツブルク大学およびノッティンガム・トレント大学による調査5の結果、スマートフォンを手元から離すことで、作業効率が最大26%向上することが示されました。
物の置き場所を決め、使い終わったらすぐに片付ける習慣を心がけると、机を常に片付けられるでしょう。

しろろ
集中できる環境を”作る”のではなく、その場所へ移るという選択肢もあります!
図書館やファミレスで作業をするのもいいかもしれませんね。
行動・習慣的要因を改善する
行動・習慣的要因を改善するためには、以下の3点を実施しましょう!
「No」と言う練習をする
他人の依頼に何でも「はい」と言ってしまう人は、1日1回「今すぐは難しい」と断る練習から始めましょう。
一度「No」を言えるようになれば、そのあとは断りやすくなるので、まずは行動あるのみです。

しろろ
私は忙しい時でも、上司から仕事を振られ、残業が当たり前になっていました。
しかし、「No」と言えるようになってからタスクが溜まらなくなり、定時で帰宅できるようになりました。
1つのタスクに集中する
同時に複数のタスクを処理するのではなく、1つのタスクに集中することが大切です。
オランダ・フローニンゲン大学の研究6では、メディア・マルチタスク(例:動画視聴中のSNSチェック)が注意力の低下や気晴らしの増加と関連していることが示されました。
特に、メディア・マルチタスクの頻度が高い人ほど、注意の持続や作業記憶の能力が低下する傾向がありました。

しろろ
会議に出ながら別のことをしていると、話を聞き逃したり、ミスしたりしませんか?
私はよくありましたが、マルチタスクをやめてから頻度が減りました!
牛尾剛著『世界一流エンジニアの思考法』では、「WIP(Work In Progress)=1」という「処理する仕事を1つに限定する」ために、以下を紹介していました。
毎日4時間をブロックして、Teamsもメールも一切閉じて、自分の作業だけをする。
牛尾剛著『世界一流エンジニアの思考法』7
1日の中で「この30分はメール」「この1時間は資料作成」など作業の時間をあらかじめ区切ることで、脳の切り替えストレスを軽減できます。
タスクが溜まるとマルチタスクをしたくなりますが、シングルタスクに切り替えることで生産性向上に繋がります。
「すぐにやる」ルールを作る
2分以内にできること(メール返信、資料印刷、備品の整理など)は即対応しましょう。
小さなタスクでも積もれば山となり大きな負担になりますが、その場で処理すれば、未完了タスク数が変わらないので負担はありません。
もしもすぐに対処できない場合は、別の章でもお伝えしたように、Outlookに予定を入れたり、PCにタスクを書いたメモを張り付けたりして忘れない工夫をしましょう。
まとめ
タスクを溜めてしまう原因には、3つのタイプがありました。
性格・価値観的要因
- 真面目:きちんとタスクをこなしたい
- 完璧主義:タスクを完璧にこなしたい
- 好奇心旺盛:新しいことを興味が向き、本来のタスクに集中できない
- 承認欲求が強い:相手に褒められたいと思う
- 優柔不断:決められなくて行動が止まる
認知的・スキル的要因
- タイムマネジメントが苦手
- 優先順位づけが苦手
- セルフマネジメントが苦手
- 集中力が続かない
- 計画と実行のギャップが大きい
行動・習慣的要因
- Noと言えない
- 後回しにする
- マルチタスクである
- 習慣化できていない
これらを解消するために、以下の項目を実践しましょう。
性格・価値観的要因の改善
- タスクの目的を明確にしてから着手する
- 8割の完成度でタスクを終える
- 「自分ならできる」と思う
認知的・スキル的要因の改善
- タスクの所要時間は1.5倍で見積もる
- 優先順位は「やるべき→成果直結→興味」順
- 集中できる環境を整える
行動・習慣的要因の改善
- できないことは「No」と言う
- シングルタスクで1つのことに集中
- すぐにやる
まずはできそうなものを1つだけでもトライしてみましょう!
その1歩が、タスクを溜めずに定時で帰宅できる生活へと繋がります。
最後に
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今回もありがとうございました!
引き続きよろしくお願いいたします!
【記事作成に使用した書籍やウェブサイトなど】
- 名言アドバイザー. “マハトマ・ガンジーの名言一覧”. (参照 2025-05-31) ↩︎
- Buehler, R., Griffin, D., & Ross, M. (1994). Exploring the “planning fallacy”: Why people underestimate their task completion times. Journal of Personality and Social Psychology, 67(3), 366-381. ↩︎
- Elizabeth (Libby) J. Sander, Arran Caza, & Peter J. Jordan. (2019). Psychological perceptions matter: Developing the reactions to the physical work environment scale, 148, 338-347 ↩︎
- Kaspersky. “Smartphones Distract us and Make us Less Efficient at Work”. (参照 2025-05-31) ↩︎
- Skowronek, J., Seifert, A., & Lindberg, S. (2023). The mere presence of a smartphone reduces basal attentional performance. Scientific Reports, 13, 9363. ↩︎
- Wiradhany, W., van Vugt, M.K., & Nieuwenstein, M.R. (2020). Media multitasking, mind-wandering, and distractibility: A large-scale study. Attention, Perception, & Psychophysics, 82, 1112–1124. ↩︎
- 牛尾剛. 世界一流エンジニアの思考法. 文藝春秋, 2023年, 270p. ↩︎