- 安藤広大著『とにかく仕組み化 ── 人の上に立ち続けるための思考法』とは?
- ルールを作る理由って?
- ルール作りで大切なことって?

しろろ
こんにちは! しろろです。
なぜ組織にルールが必要なのか、考えたことはありますか?
実は、仕組みを作る最も重要な理由は「属人化を防ぐこと」です。
今回は安藤広大著『とにかく仕組み化 ── 人の上に立ち続けるための思考法』1を参考に、仕組みを作る目的と重要ポイントをご紹介します。
『とにかく仕組み化 ── 人の上に立ち続けるための思考法 』とは?
株式会社識学の創業者・安藤広大氏による著作で、「仕組み化によりビジネスパーソンの悩みを解消する」内容になっています。
41万部を突破し、累計160万部を超える大人気シリーズの第三弾です。
仕組み化の重要性や会社の歯車として働く意義などについて学べます。
【仕組み化の目的】組織の属人化を防ぐ
属人化とは?
「属人」とは、「その人に属すること」「 業務の管理などが、組織全体でなく特定の個人に属すること」を指します。2
つまり、仕組み化は、業務が特定の個人に偏ることを防ぐために行います。
属人化による悪い影響
属人化により以下のようなトラブルが発生します。
①特定の人がいないと仕事が止まる(業務のブラックボックス化)
ノウハウや情報が個人に依存しており、他の人が代替できない状態です。
例えば、業務担当者が体調不良で休んだ時に、代わりに対応できる人がいなくて納期に間に合わないことです。
チーム全体で業務を把握する仕組みがあれば、1人が急に休んでも対応できるようになります。
②個人ルールや独自のやり方がまかり通る(非標準化)
文書化されず、個人の経験や感覚が業務の基準になっている状態です。
例えば、業務内容を教えていただいても、感覚の部分が多くて再現できないことがあります。
業務マニュアルの整備により、誰でも同じ品質で作業できるようになります。
③情報や権限が私物化される(透明性の欠如)
業務の全貌が見えず、担当者しか実情を把握していない状態です。
例えば、社内ルールで飛び込み営業は禁止なのに、あるチームでは飛び込み営業を許可してしまうことです。
組織の活動をチェックすることで、不正のリスクを減らすことができます。
④組織の柔軟性や成長が阻害される(人材育成・変革の妨げ)
属人化により後進が育たず、新しいやり方を導入しにくくなる状態です。
例えば、先輩社員のルールに従う必要があり、後輩社員から業務改善の提案をできない環境です。
若手社員の意見も受け入れる風土をつくることで、属人化の悪影響を防ぐことができます。
属人化の怖いところ
人には自己保存の欲求があるので、放っておくと組織は属人化してしまいます。
例えば、自身の地位やスキルを守るために、知識を他者と共有せずに保持しようとする場合があります。3
人の弱さによる属人化を防ぐために、仕組み化が必要になります。

【仕組み化のために大事なこと】ルールで人を最適に動かす
『とにかく仕組み化 ── 人の上に立ち続けるための思考法』の中で、重要だと感じた4点をご紹介します。
「人」ではなく「仕組み」を責める
社内でミスが起きた場合、「どうしたら防げたのだろう?」と考えましょう。
人が間違えてしまうのは仕方がない場合もあるので、ミスを減らせる仕組みを作ることで対処します。
同僚と「部長のせいだよね?」と愚痴を話しても、現状は何も変わらないので意味がないです。
ルールを変えることで、人的ミスの可能性を軽減し、質の高い仕事ができるようになります。

しろろ
ミスを責められた人は、同じ失敗をしないように意識するあまり、逆に再度ミスしてしまう場合もあります。
相手を責めてもいいことはありませんね。
決まりを明文化して、暗黙の了解をなくす
決まりを文章に残すことで、暗黙のルールは潰します。
裏ルールは、一部の人だけが得をする「既得権益」を生み出し、組織内に不公平感を生じさせます。
仕組みが文書化されていれば、隠れた決まりを排除できるので、組織内を平等に保てます。
ルールを守る人にとってのメリットを組み込む
決まりを守るメリットがあると、人は順守しようとします。
例えば、部署を横断してコミュニケーションを取るように指示しても、主体的な一部の人を除いて、大半のメンバーが動いてくれないケースがあります。
「他部署の仕事を支援すればポイントが入る」といった決まりを設けることで、動いてくれる人は増えます。
積極的でない人も、自然と組織の一員として機能できる仕組みを目指しましょう。
みんなに守ってもらえるルール作りのヒントは以下の記事でもご紹介しています。
組織の歯車になることを受け入れる
私たちは組織に属するからこそ、大きな成果を達成できます。
集団で活動するアリたちは「どこへ餌持っていけば、全員に行きわたり、繁栄できるのか」を考え、本能的に組織全体の利益を得ようと行動します。
目的に向かって各自が役割を果たすことで、1人では実現できない結果を生み出せます。

「群れの一部になりたくない」と感じることもあるかもしれませんが、チームの一員として行動することで、より大きな成果を得ることができます。
「かけがえのない存在でいたい」という気持ちと折り合いをつけることで、組織の属人化を防げます。

しろろ
私が会社員になった理由は、多くの人と協力して、大きな成果を出したいからです。
大学に残って研究をしても人の役に立てるか分からないですが、企業であれば人々に何かしらの価値を提供できと考えました。
ルール作りにより、働きやすくなった体験談
仕組み化は、横の繋がりを円滑にするためにも重要です。
私は仕事の役割分担をする仕組みが無かったため、困った経験があります。
仕組みが無くて、同僚とギスギスしてしまった
私は同僚と2人で担当する業務がありました。リーダーからは、「締め切りまでに仕事が終わるなら好きにしていい」と指示を受けました。
私たちは仕事を割り振らず、「やれる方がやる」スタンスで働きました。相手の予定表を確認し、「相手が△△しそうだから、自分は◇◇をしよう」と憶測で判断しました。
その結果、「私の行動が同期の想定と異なると、同期の機嫌が悪くなる」、「同期が他の仕事で忙しいと思い、私は仕事を溜め込んで残業する」日々が続きました。
仕組みを作り、同僚との関係が改善した
この状況をリーダーに伝え、毎週のチーム会で業務を分担する時間がほしいと伝えました。
今では担当作業が明確になり、ストレスなく働けるようになりました。
最初から変な気遣いをせず、同僚と話し合える環境を作ればよかったです。
暗黙のルールに頼ると人間関係がぎくしゃくしてしまうため、明確な仕組みの重要性を実感しました。
まとめ
属人化とは「業務の管理などが特定の個人に属する状態」を指し、4種類の問題が起こす可能性があるとお伝えしました。
- 特定の人がいないと仕事が止まる(業務のブラックボックス化)
- 個人ルールや独自のやり方がまかり通る(非標準化)
- 情報や権限が私物化される(透明性の欠如)
- 組織の柔軟性や成長が阻害される(人材育成・変革の妨げ)
属人化を防ぐためのルールを作る際には、以下のポイントを抑えることで、効果的な仕組みになります。
- 「人」ではなく「仕組み」を責める
- 決まりを明文化して、暗黙の了解をなくす
- ルールを守る人にとってのメリットを組み込む
- 組織の歯車になることを受け入れる
最後に
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職場の人間関係でお困りの方は、以下の記事も役に立つと思います。
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【記事作成に使用した書籍やウェブサイト】
- 安藤広大. とにかく仕組み化 ── 人の上に立ち続けるための思考法. ダイヤモンド社, 2023, 320p. ↩︎
- コトバンク. “デジタル大辞泉 「属人」”. (参照 2025-06-07). ↩︎
- M.W. Bari, S. Shukla, S. Ahmad, M. Tariq, & M. Butt. (2025). The impact of high-performance punishment on knowledge behaviors: The mediating role of deviant silence. European Research on Management and Business Economics, 31, 100276 ↩︎